近年、マッチングアプリという便利なサービスが増加していますが、その増加とともに、思わぬ不倫慰謝料の請求に困っているという相談も増えています。「相手が独身だと思って交際していたのに、実は既婚者だった」、「離婚したと言っていたけど、実は離婚していなかった」など、意図せず不倫関係になってしまい、慰謝料を請求されてしまったというケースが後を絶ちません。今回のコラムでは、マッチングアプリで出合った人が既婚者であった場合の対処法を解説したいと思います。

マッチングアプリで出会っただけでは不倫ではない

法律上、離婚原因や慰謝料の発生原因となる不倫=不貞行為か否かは、性交渉の有無で判断されます。

ですので、マッチングアプリで出会って単に食事をしただけ等の場合には、法律上は不倫があったとは判断されないので、慰謝料等を請求されることはありません。仮に、そのような請求があったとしても法的に支払う必要はありません。

逆に、一度でも肉体関係があれば、お互いが割り切った関係であったとしても、不倫慰謝料を請求される危険性があるので注意が必要です。

相手が既婚者だと気付いた後の対応

マッチングアプリで出会った相手が既婚者とは知らずに関係を持ってしまい、その後、相手が既婚者だと気付いた場合には、まずは、その方と距離を置くことが大切です。

少し専門的な話になりますが、不倫慰謝料が発生するためには、不倫していることについての故意や過失というものが要求されるため、既婚者だとは全く知らず、知らないことについて過失も全くない場合には、慰謝料は一切発生しません。

逆に言えば、相手が既婚者であると知った後にも、不倫関係を続けていると、不倫についての故意が認められ、請求される慰謝料が高額になってしまう危険性があります。

証拠の保存

アプリで出会った相手が既婚者であり、その配偶者から慰謝料を請求された場合、「相手が既婚者であるとは知らなかった」ことを主張・立証することで、大きく慰謝料を減額できたり、場合によっては全額免除されることもあります。

そのため、慰謝料を請求された場合に備えて、相手とのやり取りや、アプリ上での相手のプロフィールをスクリーンショットなどで保存することが重要です。例えば、「独身です」、「結婚相手募集中」などの記載や発言を保存します。

相手が独身だと思ったのに騙されたという気持ちから、やり取りやLINE等を削除してしまう方も少なくありませんが、後に大切な証拠となりますので、削除することは控えるのが無難です。

不倫慰謝料を実際に請求された場合

実際に慰謝料を請求されてしまった場合には、無理に自身で交渉せずに、慰謝料問題に強い弁護士に相談することを強くお勧めします。特に相手が弁護士を通して請求してきている場合には、不用意な発言をすると、後に不利に働き、慰謝料が高額になる危険性があります。

自身の立場からすれば、相手に騙された格好になるため、つい反論したくなる気持ちもあるかと思いますが、その時の発言が不利に働く危険性があるため、一度、専門の弁護士に相談してから、対応するのが安全です。

不倫慰謝料に強い弁護士に相談するなら

当事務所は、多くの離婚問題、不倫慰謝料問題に携わってきた弁護士が在籍しており、初回無料にて相談を実施しております。近年多いマッチングアプリが関連する不倫慰謝料案件にも多く携わっておりますので、不倫慰謝料でお悩みのある方は、お気軽にご相談ください。